RSU 節税 配偶者控除・扶養控除の活用
「RSUで所得が増えたら、配偶者控除や扶養控除に影響する?節税できる?」
RSU(Restricted Stock Units)による所得増加は、配偶者控除や扶養控除の適用条件に影響を与えることがあります。適切に活用することで、RSUによる税負担増を軽減できます。
本記事では、RSU所得がある場合の配偶者控除・扶養控除の活用方法を解説します。
この記事のポイント
- 配偶者控除・扶養控除の適用条件と収入基準
- RSU所得が控除額に与える影響
- 配偶者のパートタイム収入の最適化
- 確定申告での入力方法
はじめに
この記事は誰向けか
- RSU所得があり、配偶者控除が気になる方
- 扶養家族の追加で節税できるか知りたい方
- 配偶者のパートタイム収入の調整を検討している方
- 家族を考慮した税金対策をしたい方
配偶者控除・扶養控除とは
| 控除 | 対象 | 概要 |
|---|---|---|
| 配偶者控除 | 配偶者 | 配偶者の合計所得が48万円以下の場合 |
| 配偶者特別控除 | 配偶者 | 配偶者の合計所得が48万円〜133万円の場合 |
| 扶養控除 | 扶養家族 | 生計を一にする親族で所得が48万円以下 |
配偶者控除の基礎知識
配偶者控除の適用条件
対象となる配偶者の条件:
- 生計を一にすること
- 青色事業専従者または白色事業専従者でないこと
- 合計所得が48万円以下であること
配偶者控除額(2024年以降)
| 納税者の合計所得金額 | 配偶者控除額 | 配偶者特別控除額(配偶者所得48万円〜) |
| 900万円以下 | 38万円 | 最大38万円 |
| 900万円超〜950万円以下 | 26万円 | 最大26万円 |
| 950万円超〜1,000万円以下 | 13万円 | 最大13万円 |
| 1,000万円超 | なし | なし |
配偶者特別控除の段階
配偶者の所得が48万円を超えると、配偶者特別控除に移行します。
| 配偶者の合計所得 | 控除額(納税者所得900万円以下の場合) |
| 48万円以下 | 38万円(配偶者控除) |
| 48万円超〜95万円 | 38万円(配偶者特別控除) |
| 95万円超〜100万円 | 36万円 |
| 100万円超〜105万円 | 31万円 |
| 105万円超〜110万円 | 26万円 |
| 110万円超〜115万円 | 21万円 |
| 115万円超〜120万円 | 16万円 |
| 120万円超〜125万円 | 11万円 |
| 125万円超〜130万円 | 6万円 |
| 130万円超〜133万円 | 3万円 |
| 133万円超 | なし |
RSU所得が配偶者控除に与える影響
RSU所得による納税者所得の増加
RSU権利確定により、納税者の所得が増加し、配偶者控除額が減少または消失するケースがあります。
ケース1: 配偶者控除額の減少
【RSU所得前】
納税者年収: 850万円
配偶者控除額: 38万円
【RSU権利確定150万円後】
納税者年収: 850万円 + 150万円 = 1,000万円
配偶者控除額: 13万円
→ 25万円の控除減少(税額で約7.5万円の増税)
ケース2: 配偶者控除の消失
【RSU所得前】
納税者年収: 950万円
配偶者控除額: 26万円
【RSU権利確定100万円後】
納税者年売: 950万円 + 100万円 = 1,050万円
配偶者控除額: なし
→ 26万円の控除減少(税額で約7.8万円の増税)
配偶者の収入調整とRSU
RSU所得がある場合、配偶者の収入調整がさらに重要になります。
| パターン | 納税者所得 | 配偶者所得 | 合計控除額 | 節税効果 |
| A | 900万円 | 48万円 | 38万円 | 標準 |
| B | 1,000万円 | 48万円 | 13万円 | -25万円 |
| C | 1,000万円 | 95万円 | 13万円(特別) | -25万円 |
| D | 1,000万円 | 133万円 | なし | -38万円 |
ポイント:
- 納税者所得が増加しても、配偶者控除(特別控除)は依然として利用可能
- 配偶者所得が133万円を超えると完全に消失
扶養控除の活用
扶養控除の適用条件
対象となる家族の条件:
- 生計を一にする親族
- 合計所得が48万円以下であること
- 原則として16歳以上であること
扶養控除額(一般の扶養親族):
| 対象 | 控除額 |
| 一般の扶養親族(16歳〜18歳) | 38万円 |
| 特定扶養親族(19歳〜22歳) | 63万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上同居) | 58万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上別居) | 48万円 |
扶養控除の節税効果
| 対象 | 控除額 | 想定節税額(20%税率) |
| 一般扶養親族 | 38万円 | 約7.6万円 |
| 特定扶養親族(大学生) | 63万円 | 約12.6万円 |
| 老人扶養親族(同居) | 58万円 | 約11.6万円 |
RSU所得と扶養控除の併用
RSU所得が増えても、扶養控除は原則として適用可能です。ただし、納税者自身の所得が高くなると、税額に対する効果は変わりません(控除額は同じ)。
【計算例】
納税者年収: 1,200万円(RSU含む)
扶養親族: 大学生の子(特定扶養親族)
所得税の扶養控除: 63万円
住民税の扶養控除: 45万円
節税効果:
所得税: 63万円 × 33% = 約20.8万円
住民税: 45万円 × 10% = 4.5万円
合計: 約25.3万円
配偶者のパートタイム収入の最適化
103万円の壁と130万円の壁
配偶者がパートタイムで働く場合、以下の壁が重要です:
| 収入水準 | 給与所得控除後の所得 | 影響 |
| 103万円以下 | 48万円以下 | 配偶者控除適用可 |
| 106万円以下 | 51万円以下 | 住民税配偶者控除適用可 |
| 130万円以下 | 75万円以下 | 社会保険の被扶養者範囲 |
| 150万円以下 | 95万円以下 | 配偶者特別控除最大 |
RSU所得がある場合の戦略
パターン1: 配偶者の収入を103万円以下に抑える
【効果】
配偶者控除: 38万円(所得税)
配偶者控除: 33万円(住民税)
合計節税: 約15万円程度
パターン2: 配偶者の収入を150万円まで増やす
【効果】
配偶者特別控除(最大): 38万円(所得税)
配偶者特別控除(最大): 33万円(住民税)
+ 配偶者の追加所得
※配偶者の社会保険加入が必要になる場合あり
計算例:最適な配偶者収入
| 配偶者年収 | 配偶者控除額 | 配偶者所得税 | 納税者節税 | 合計効果 |
| 100万円 | 38万円 | 約5,000円 | 約11万円 | 約+10万円 |
| 130万円 | 38万円 | 約8万円 | 約11万円 | 約+13万円 |
| 150万円 | 38万円 | 約12万円 | 約11万円 | 約+11万円 |
| 180万円 | 20万円 | 約20万円 | 約6万円 | 約+6万円 |
※あくまで目安。個別の状況で計算が必要です。
確定申告での入力方法
配偶者控除の入力
e-Taxでの手順:
- 「基礎控除・配偶者控除等」の入力画面へ
- 「配偶者控除」の項目で「控除を受ける」を選択
- 配偶者の情報を入力:
| 入力項目 | 内容 |
| 配偶者の氏名 | 配偶者の名前 |
| 生年月日 | 配偶者の生年月日 |
| 合計所得金額 | 配偶者の所得(給与所得控除後) |
- 控除額が自動計算される
扶養控除の入力
e-Taxでの手順:
- 「扶養控除」の入力画面へ
- 「扶養親族を追加」をクリック
- 扶養親族の情報を入力:
| 入力項目 | 内容 |
| 氏名 | 扶養親族の名前 |
| 続柄 | 子、父、母など |
| 生年月日 | 扶養親族の生年月日 |
| 合計所得金額 | 扶養親族の所得 |
| 同居/別居 | 同居または別居を選択 |
| 特定扶養親族 | 19〜22歳の場合はチェック |
- 控除額が自動計算される
よくある質問(FAQ)
Q1: RSU権利確定で所得が増えたら配偶者控除がなくなる?
A: 納税者の合計所得が1,000万円を超えると、配偶者控除額は減少しますが、完全になくなるわけではありません。配偶者の所得が48万円以下であれば、配偶者控除(13万円)または配偶者特別控除が適用されます。
Q2: 配偶者もRSUを持っている場合は?
A: 配偶者がRSUを持ち、権利確定による所得がある場合、その所得が48万円を超えると配偶者控除の対象外になります。配偶者のRSU所得も考慮して、収入調整が必要です。
Q3: 海外に居住している親を扶養控除の対象にできる?
A: 海外に居住する親族であっても、送金等による生計を一にすることが証明できれば、扶養控除の対象になります。ただし、送金記録等の証明が必要です。
Q4: 配偶者控除と配偶者特別控除は併用できる?
A: いいえ、併用はできません。配偶者の所得が48万円以下の場合は配偶者控除、48万円を超える場合は配偶者特別控除が適用されます。
まとめ
RSU所得がある場合の配偶者控除・扶養控除の活用ポイント:
| 項目 | ポイント |
| 配偶者控除 | 納税者所得増加で控除額減少、配偶者所得133万円以下で維持 |
| 扶養控除 | 所得増加に関係なく適用可能、特定扶養親族で効果大 |
| 配偶者収入 | 103万円以下か150万円程度が最適なケースが多い |
| 確定申告 | e-Taxで配偶者・扶養親族の情報を正確に入力 |
重要なポイント:
- RSU所得で配偶者控除額が減少する可能性
- 扶養控除は依然として有効な節税手段
- 配偶者の収入調整で社会保険の被扶養者範囲も考慮
- 家族全体の税負担を最適化する視点が重要
次のアクション
- 配偶者の現在の年収を確認
- 扶養に入れていない家族がいないか確認
- 配偶者の来年度の予定収入を計算
- 最適な収入水準をシミュレーション
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この記事は2026年3月時点の情報に基づいて作成しています。税制は変更される場合があります。