RSUの税金はいくら?計算方法と課税タイミング
RSUをもらったけど、実際にいくら税金がかかるのか知りたい…そんな疑問にお答えします。
RSUの税金は、権利確定時(Vest時)と売却時の2つのタイミングで発生します。この記事では、それぞれの計算方法を具体例を交えて詳しく解説します。
RSUの課税タイミング
RSUに関わる税金は、以下の2つのタイミングで発生します:
権利確定時の税金計算
課税対象金額の計算式
権利確定時の課税対象金額は、以下の式で計算します:
課税対象金額 = 権利確定株数 × 権利確定日の株価 × TTMレート
TTMレートとは
TTMレート(Telegraphic Transfer Middle Rate)は、東京外国為替市場の相場を指します。
- 使用するレート: 権利確定日当日のTTMレート
- 公表元: 三菱UFJ銀行、三井住友銀行などの主要銀行
- 確認方法: 各銀行のウェブサイトで「TTM」や「電信為替相場」として検索
計算例
例1: 基本的な計算
条件:
- 権利確定株数: 50株
- 権利確定日の株価: $150
- TTMレート: 150円/ドル
計算:
課税対象金額 = 50 × 150 × 150 = 1,125,000円
この1,125,000円が、給与所得として追加されます。
例2: 複数回のVestがある場合
Q1 Vest:
- 12株 × $140 × 145円 = 243,600円
Q2 Vest:
- 12株 × $155 × 148円 = 275,280円
Q3 Vest:
- 13株 × $148 × 147円 = 282,588円
Q4 Vest:
- 13株 × $152 × 149円 = 294,424円
-----------------------------------
年間合計: 1,095,892円(給与所得として加算)
源泉徴収のパターン
会社によって、源泉徴収の方法が異なります:
パターンA: Sell to Cover(自動売却)
権利確定した株式の一部を自動的に売却し、そこから税金を支払う方法です。
権利確定: 50株
自動売却: 20株(税金分)
手元に残る: 30株
メリット: 自分で税金を用意する必要がない
デメリット: 売却タイミングが制限される
パターンB: 給与から天引き
権利確定月の給与から税金を天引きします。
通常給与: 500,000円
RSU課税額: 300,000円(追加給与として計算)
当月の課税対象: 800,000円(累進税率適用)
パターンC: 自己申告が必要
会社で源泉徴収されない場合、自分で確定申告する必要があります。
売却時の税金計算
権利確定後に株式を売却した場合、売却益に対して譲渡所得として税金が発生することがあります。
譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却金額 - 取得費 - 売却経費
取得費 = 売却株数 × 取得時の円換算単価
取得時の円換算単価
取得費は、権利確定時の円換算金額を使用します:
取得単価(円)= 権利確定日の株価(ドル)× TTMレート
計算例
例: 売却益の計算
【権利確定時】
- Vest株数: 50株
- 株価: $150
- TTMレート: 150円
- 取得費総額: 50 × 150 × 150 = 1,125,000円
- 取得単価: 22,500円/株
【売却時】
- 売却株数: 50株
- 売却株価: $180
- TTMレート: 155円
- 売却金額: 50 × 180 × 155 = 1,395,000円
【譲渡所得】
1,395,000円 - 1,125,000円 = 270,000円
この270,000円が譲渡所得となります。
譲渡所得の課税方式
譲渡所得には、2つの課税方式があります:
1. 申告分離課税(推奨)
税率: 20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)
上記の例:
270,000円 × 20.315% = 54,851円
特徴:
- 給与所得と分離して計算
- 税率が一律で計算しやすい
- 配当所得と合算可能(配当控除)
2. 総合課税
給与所得 + 譲渡所得 = 合計所得
→ 累進税率(5%〜45%)を適用
特徴:
- 高所得者には不利(税率が高くなる)
- 控除を活用できる場合がある
どちらを選ぶべきか
一般的な判断基準:
重要: どちらが有利かは、譲渡所得の額や他の所得とのバランスで変わります。e-Taxで両方試算して比較することをお勧めします。
よくある計算ミス
ミス1: TTMレートと売却時レートの混同
間違い:
❌ 売却金額の計算にVest時のレートを使用
正しい方法:
✅ Vest時はVest時のレート、売却時は売却時のレート
ミス2: 取得費の計算漏れ
間違い:
❌ 売却金額全額を譲渡所得とする
正しい方法:
✅ 売却金額 - 取得費 = 譲渡所得
ミス3: 外国税額控除の適用忘れ
米国企業のRSUで源泉徴収されている場合、外国税額控除が適用できる場合があります。
米国で源泉徴収: 30%
日本の税率: 20%
→ 実際には還付される可能性あり
詳細は外国税額控除の解説記事をご覧ください。
まとめ
RSUの税金計算のポイント:
- Vest時: 株数 × 株価 × TTMレート = 給与所得
- 売却時: 売却金額 - 取得費 = 譲渡所得
- 課税方式: 申告分離課税(20.315%)が一般的に有利
- 外国税額控除: 米国株の場合は適用可能性あり
次のステップ
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FAQ
Q: Vest時と売却時で為替レートが違うのはなぜですか?
A: Vest時と売却時は別の日なので、為替レートが変動します。これは円換算の原則で、それぞれの日のレートを使うのが正しい計算方法です。
Q: 売却損失が出た場合はどうなりますか?
A: 譲渡所得がマイナス(損失)の場合、その年の他の譲渡所得と相殺できます。3年間の損失繰越も可能です。
Q: 複数回Vestした場合、取得費はどう計算しますか?
A: Vestごとに取得単価が異なるため、平均単価法または個別対応法で計算します。e-Taxでは平均単価法が便利です。