RSUの税金はいくら?計算方法と課税タイミング

RSUをもらったけど、実際にいくら税金がかかるのか知りたい…そんな疑問にお答えします。

RSUの税金は、権利確定時(Vest時)売却時の2つのタイミングで発生します。この記事では、それぞれの計算方法を具体例を交えて詳しく解説します。


RSUの課税タイミング

RSUに関わる税金は、以下の2つのタイミングで発生します:

タイミング所得区分税率備考 権利確定時(Vest時)給与所得累進税率(5%〜45%)会社によって源泉徴収あり 売却時譲渡所得20.315%(申告分離)または累進税率年間20万円超で確定申告が必要な場合あり

権利確定時の税金計算

課税対象金額の計算式

権利確定時の課税対象金額は、以下の式で計算します:

課税対象金額 = 権利確定株数 × 権利確定日の株価 × TTMレート

TTMレートとは

TTMレート(Telegraphic Transfer Middle Rate)は、東京外国為替市場の相場を指します。

計算例

例1: 基本的な計算

条件:
- 権利確定株数: 50株
- 権利確定日の株価: $150
- TTMレート: 150円/ドル

計算:
課税対象金額 = 50 × 150 × 150 = 1,125,000円

この1,125,000円が、給与所得として追加されます。

例2: 複数回のVestがある場合

Q1 Vest:
- 12株 × $140 × 145円 = 243,600円

Q2 Vest:
- 12株 × $155 × 148円 = 275,280円

Q3 Vest:
- 13株 × $148 × 147円 = 282,588円

Q4 Vest:
- 13株 × $152 × 149円 = 294,424円

-----------------------------------
年間合計: 1,095,892円(給与所得として加算)

源泉徴収のパターン

会社によって、源泉徴収の方法が異なります:

パターンA: Sell to Cover(自動売却)

権利確定した株式の一部を自動的に売却し、そこから税金を支払う方法です。

権利確定: 50株
自動売却: 20株(税金分)
手元に残る: 30株

メリット: 自分で税金を用意する必要がない

デメリット: 売却タイミングが制限される

パターンB: 給与から天引き

権利確定月の給与から税金を天引きします。

通常給与: 500,000円
RSU課税額: 300,000円(追加給与として計算)
当月の課税対象: 800,000円(累進税率適用)

パターンC: 自己申告が必要

会社で源泉徴収されない場合、自分で確定申告する必要があります。


売却時の税金計算

権利確定後に株式を売却した場合、売却益に対して譲渡所得として税金が発生することがあります。

譲渡所得の計算式

譲渡所得 = 売却金額 - 取得費 - 売却経費

取得費 = 売却株数 × 取得時の円換算単価

取得時の円換算単価

取得費は、権利確定時の円換算金額を使用します:

取得単価(円)= 権利確定日の株価(ドル)× TTMレート

計算例

例: 売却益の計算

【権利確定時】
- Vest株数: 50株
- 株価: $150
- TTMレート: 150円
- 取得費総額: 50 × 150 × 150 = 1,125,000円
- 取得単価: 22,500円/株

【売却時】
- 売却株数: 50株
- 売却株価: $180
- TTMレート: 155円
- 売却金額: 50 × 180 × 155 = 1,395,000円

【譲渡所得】
1,395,000円 - 1,125,000円 = 270,000円

この270,000円が譲渡所得となります。

譲渡所得の課税方式

譲渡所得には、2つの課税方式があります:

1. 申告分離課税(推奨)

税率: 20.315%(所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%)

上記の例:
270,000円 × 20.315% = 54,851円

特徴:

2. 総合課税

給与所得 + 譲渡所得 = 合計所得
→ 累進税率(5%〜45%)を適用

特徴:

どちらを選ぶべきか

一般的な判断基準:

年収(給与所得)推奨する課税方式 900万円未満申告分離課税 900万円〜1,800万円計算による(どちらが有利か比較) 1,800万円超総合課税の可能性も(譲渡損失があれば)

重要: どちらが有利かは、譲渡所得の額や他の所得とのバランスで変わります。e-Taxで両方試算して比較することをお勧めします。


よくある計算ミス

ミス1: TTMレートと売却時レートの混同

間違い:

❌ 売却金額の計算にVest時のレートを使用

正しい方法:

✅ Vest時はVest時のレート、売却時は売却時のレート

ミス2: 取得費の計算漏れ

間違い:

❌ 売却金額全額を譲渡所得とする

正しい方法:

✅ 売却金額 - 取得費 = 譲渡所得

ミス3: 外国税額控除の適用忘れ

米国企業のRSUで源泉徴収されている場合、外国税額控除が適用できる場合があります。

米国で源泉徴収: 30%
日本の税率: 20%
→ 実際には還付される可能性あり

詳細は外国税額控除の解説記事をご覧ください。


まとめ

RSUの税金計算のポイント:

  1. Vest時: 株数 × 株価 × TTMレート = 給与所得
  2. 売却時: 売却金額 - 取得費 = 譲渡所得
  3. 課税方式: 申告分離課税(20.315%)が一般的に有利
  4. 外国税額控除: 米国株の場合は適用可能性あり

次のステップ

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FAQ

Q: Vest時と売却時で為替レートが違うのはなぜですか?

A: Vest時と売却時は別の日なので、為替レートが変動します。これは円換算の原則で、それぞれの日のレートを使うのが正しい計算方法です。

Q: 売却損失が出た場合はどうなりますか?

A: 譲渡所得がマイナス(損失)の場合、その年の他の譲渡所得と相殺できます。3年間の損失繰越も可能です。

Q: 複数回Vestした場合、取得費はどう計算しますか?

A: Vestごとに取得単価が異なるため、平均単価法または個別対応法で計算します。e-Taxでは平均単価法が便利です。